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2019-08

「夜叉」第12話完全日本語版 -- by 春頭さま

前回までのあらすじ略

チスン邸 納屋

柱に縛られているペッキョルとチョンヨン。チスンが入ってくる。

ペッキョル:大監さま、一度だけチャンスをください。今度の反正(悪い王を廃して新しい王を立てる事)には、私が必ず必要です。粉骨砕身いたしますので、チャンスをください。

チスン:ソヨンが子供を授かった。

驚くペッキョルとチョンヨン。

チスン:チャンスをやろう。

清渓川 コッチタン(乞食親分)の家

親分:天下のサンソンが乞食の部屋にまでいらっしゃって...末世は末世です?

白禄:今度、私たちを助けてくれれば、王室に納める野菜専売権を差し上げよう。

親分:農夫でもなし、そんなものを受けたところで面倒なばかりだ。塩ならまた分からなくもないが。

ト・シピョン:塩はだめだ...だが、もっと良いものをやろう。手伝ってくれれば、両班にしてやる。

親分:乞食生活がおもしろいのに、イカレタつまらない両班か?

チスン邸 納屋(昼間)

縛られたペッキョルとチョンヨンの前に立つチスン。

チスン:ペッキョルは王宮に入って行ってパク・ユンを暗殺して、反正当日宮廷の門を開く。できるか?

ペッキョル:必ず成功させます。そのかわり、私が成功したらチョンヨンは助けてくださいますね。

チスン:それは私が決める。(チョンヨンを見て) お前を通じて、いまさら分かったことが一つある。暗い心を抱いたお前を我家に紹介して、我が家の秘密をあまりにも知り過ぎた者がいたな。霜五樓のチヒャンの話だ。

チョンヨン:お姉さんは何も知りません。

チスン:殺ろすのだ。

チョンヨン:ええ?

チスン:お前の手でチヒャンを殺しなさい。

乞食の家(昼間)

突然親分に対して丁寧な礼をするト・シピョン。

ト・シピョン:この国の宗廟と朝廷が危ない。天下が平安になるように王室を手伝ってください。

驚いてかしこまる親分。そこへ部下の乞食が入ってきて耳打ちする。

親分:カン・チスン大監宅で、壻である内禁衛将とカン大監の妾が大監の怒りを買い、納屋に閉じこめられて拷問にあっています。

乞食の家の前

白禄:火を放つ時刻は、亥時半角(夜11時)にします。

乞食:子分たちを少し付けましょうか?

白禄:俺の方はいい、倉庫の方にたくさん送ってくれ。(パクポに)おじさんが子分たち連れてボウボウ燃やしてみてくれ。

パクポ:火遊びなら心配ない。四歳の時、町内の堂山の木もホルラ堂も燃やしつくしたやつだ、私は。

白禄:(ト・シピョンに)これで反正を延ばすことができましょうか?

ト・シピョン:警告はなるが、カン大監ならむしろ急ぐこともできる。

白禄:行きます。

パクポ:(ト・シピョンに)仕事を終えれたら、従事官の地位くらいは、まあ、いただけましょう?

白禄:早く来ないのか?

パクポ:行って来て、またお話しましょう。

アンヨン山墓所

松明を持つ白禄と、それに従うパクポ。枯れ草に火をつけようとしている。

白禄:俺の犯した罪が何か聞きましたね?

パクポ:言わなくてもいい。

白禄:多くの罪を犯したが、その中最大のは、愛する人を守ることができなかった罪。愛する女を捨てた罪です。

火を付ける白禄。

白禄:二度と、チョンヨンを放さないでしょう.... 二度と...

チスン邸 祠堂(夜)

先祖の位牌に祈るカン・チスン。慌ててやってくるヒョジュ。

ヒョジュ:お父様!大変なことになりました。

ソヨンの部屋(夜)

眠る夫人の手を握り、腹を撫でるペッキョル。外から慌ただしく兵たちの行きかう音がする。

ペッキョル:(兵を呼び止めて)何の事だ?

兵:墓所に火が出て、御先祖様の墓がすべて燃えています。

ペッキョル:何だと?

チスン邸門前

馬に乗り墓所へ出発するチスン。ペッキョルと目が合うが無視する。後をついて出るペッキョル。陰から様子を窺いチスン邸に侵入する白禄。

燃えるアンヨン山

兵に尋ねるペッキョル。

ペッキョル:お父様までここにいて、家の警備には誰が立つのか?

兵:分かりません。今は火を消すのに全て動員されました。

ペッキョル:墓所は餌だ。お前は兵力を合わせて穀食倉庫と兵器倉庫に行きなさい。家を見回ったら、すぐ行く。

チスン邸 納屋(夜)

駆け込んでくる白禄。チョンヨンが縛られている。憔悴して意識がない。

白禄:チョンヨン!

チョンヨンの縄を解き、抱き起こす。

白禄:チョンヨンよ、しっかりしろ。

チョンヨン:お兄さん?

白禄:そうだ、俺だ。

チョンヨン:お兄さんがよく見える....私...今やっと死んだの?

白禄:違う、生きている...兄さんが助けてやるから。

チョンヨン:...本当にお兄さんなの?

白禄:そうだ、行こう。

山道(夜)

馬を駆り、チスン邸に駆けつけるペッキョル。

チスン邸(夜)

既に納屋にチョンヨンの姿はない。混乱する邸内を探すペッキョル。馬でチョンヨンを連れ去る兄と目が合う。走って追いかけるが追いつけない。

チスン邸 納屋(夜)

空になった納屋で呆然とするチスン。ペッキョルとヒョジュが入ってくる。

ヒョジュ:お父様。

チスン:倉庫はどうしたか?

ヒョジュ:穀食倉庫は全焼しましたが、兵器倉庫だけは妹婿が努力して半分は助け出しました。

チスン:(ペッキョルに) 君はどうして残っているか?ヨンも解き放たれたから、もう家にいる理由がないのに...

ペッキョル:先ほど、兄を見ました。

ヒョジュ:兄さんだって?死んだ黒雲剣行首のことか?

ペッキョル:はい、兄がチョンヨンを連れて行きました。...反正を成功させて、チョンヨンを取り戻します。

チスン、何か言いたげだ。

ペッキョル:功臣になって生まれる子の堂々とした父になります。

チスン:欲心が多いな...その二つは共にできない事だ。

ヒョジュ:お父さん。事情がこうなったから反正は放棄、それとも延期するのが。

チスン:皆が私がここで止めると思うだろう。これはチャンスだ。少なからず油断するだろうし、周りには本当の友軍たちだけが残る。二日後に事を起こす。

乞食の家(朝)

布団に眠るチョンヨンを見守る白禄。ト・シピョンが入ってくる。

ト・シピョン:行くつもりだ。

白禄:懸賞金付いたという話を聞かなかったんですか?ここで道を捜してみましょう。

ト・シピョン:分かっている。それでも行かなければ。

白禄:死にたいんですか?

ト・シピョン:内官は住む所も、死ぬ所も宮だと学んだ。死ななければならないなら、当然宮で死ななくてはならない。

チョンヨンも起き上がってト・シピョンの話を聞く。

ト・シピョン:特権意識に浸って仕事をしない士大夫たちこそ国を台無しにする虫。力強い王権こそその虫を殺す薬。

白禄:できますよ。今ではなくても、いつかは...

ト・シピョン:そうなんだが、最近殿下を見ると...私の考えは間違った指導なのかもしれない。


白禄:なんの話です?

ト・シピョン:もし王権強化に命をかけた私が失敗して、臣権政治に命をかけたカン・チスン大監も失敗すれば、その時は何が国を導こうか?

チスン邸 奥座敷(昼)

食膳が用意されている。チスン、ヒョジュ、ペッキョルが席についている。ソクジュの子の手を引いてペッキョルの横に座るソヨン。自分の席に着くようたしなめようとするペッキョル。

ペッキョル:あなた

チスン:いい、そのまま一緒に座ろう。

ペッキョル:はい。

チスン:(ヒョジュに)奴婢たちにも十分に調えてやったか?

ヒョジュ:おっしゃるとおり、3ヶ月分の米も分けてやりました。

チスン:明日、擧事を行う。今日が家族が一緒に食べる最後の食膳になるかもしれない。食べなさい。

食事を始める。ペッキョルのスプーンに薬果をのせる夫人。無心にペッキョルを見つめる夫人を見て、薬果を噛みしめるペッキョル。

乞食の家(夜)

チョンヨンと乞食たちが、ビビンバを作ってみんなに分けている。

チスン邸 奥座敷(夜)

集まった一同に薬包を配るヒョジュ。

チスン:私たちが家を出た後、帰って来なければ、この薬で自決して、苦しい後日を作るな。

ペッキョルに配られた毒を取り上げようとする夫人。押し留めるペッキョル。

乞食の家 みんなのいる部屋の隣の部屋

一人座って泣くチョンヨン。白禄が入ってくる。

白禄:キョルが心配なのか?

チョンヨン:明日、宮に行くの?

白禄:うん、俺がカン・チスンなら兵曹判書パク・ユンから片付けるだろう。俺が阻まなくてはならない。

チョンヨン:暗殺者としてキョルが来たら?

白禄:切らなくてはならない。

チョンヨン:お兄さん!

白禄:キョルが選んだことだ...君を捨ててカン大監に付いた奴だ。

チョンヨン:違うの。

白禄:それを俺は許すことができない。

チョンヨン:お兄さんがいない間、たくさんのことがあったの。その中の大半はお兄さんに言いたくないことよ。でも、お兄さん、キョルを憎んではだめ。

白禄:チョンヨンよ。俺は、もうおまえを離さない。もし、俺を阻むのがあったら、それが仏様でも子供でも...弟でも、すべて斬る。

白禄から目をそらし背を向けるチョンヨン。

白禄:チョンヨン…

肩を抱こうとするが…出来ない。

兵曹入口(夜)

ト・シピョンの人相書きが貼られている。それを破り中に入って行くト・シピョン。

乞食の家(朝)

戦いの装束の支度をする白禄。パクポと乞食親分もいる。そこへチョンヨンが入ってくる。席を外すパクポと親分。チョンヨンを抱きしめる白禄。

白禄:夕方に会おう。

出て行く白禄。立ちつくすチョンヨン。

チスン家門前(昼)

門を出てくるペッキョル。刀をペッキョルに渡すチスン。馬に乗って出立するチスンと兵。

王宮 執務室(昼)

内官(off):殿下!

王:何事で、このような大騒ぎをするのか?

内官:殿下!内禁衛将イ・ベッキョルが義父の前左議政カン・チスン大監の謀反を告げに来ました。

王:何?謀反?

内官:はい、兵曹判書パク・ユンにすべてのことを打ち明けると言います。

王:壻が舅を裏切る。

兵曹判書の執務室(昼)

パク・ユンと向かい合って座るペッキョル。

ペッキョル:連判状に署名した人物は全員で三十一、京畿観察使イ・ガブワン。黄海道海州牧師...

兵曹入口(昼)

乞食たちの陽動で侵入する白禄とパクポ。阻もうと次々出てくる兵。

霜五樓-妓房門(昼)

次々と侵入するチスンの私兵。

兵:???も全部見ろ。

兵曹判書の執務室(昼)

パク・ユン:擧事の日はいつか?

ペッキョル:十日後、殿下が狩りに出る日です。宮から出る時は多くの役人が綾従して機会がないが、狩りを終えて帰って来る時ごろなら役人たちの中で大半が落伍するだろうし、兵士たちも途中に帰隊するから、宮外で狙えば間違いないと思ったんです。

パク・ユン:殿下を殺生簿に入れたか?

ペッキョル:殺生簿にはただ一人の名前しかありません。

パク・ユン:その一人は誰ですか?

ペッキョル:兵曹判書パク・ユン。

兵曹庭先(昼)

兵と戦う白禄と乞食たち。パク・ユン執務室へ向かう。

兵判の執務室(昼)

笑うパク・ユン。

パク・ユン:これは光栄です。左相大監が私をそれほど高く評価してくれるなんて。

ペッキョル:私は残念です。パク大監。あなたを殺すことになって。

後に立つ護衛兵の刀を抜き、護衛兵を斬るペッキョル。逃げ出すパク・ユンを追って執務室を出る。

兵曹廊下(昼)

走る白禄。

兵曹庭先(昼)

パク・ユンを護ろうとする兵たちと戦うペッキョル。

兵曹監獄(昼)

外の慌ただしさをいぶかしげに見るト・シピョン。そこへパクポが来て鍵を開ける。

パクポ:ナウリ、従事官くらいダメですかねえ。ちょっと考えてみるぐらい…

妓房(昼間)

妓生を次々切り捨てるチスンの私兵たち。
チヒャンの部屋に入って行くチョンヨン。外の様子にまだ気が付いてないチヒャン。

チヒャン:今日はまた、どんな風の吹きまわし?

背後で短刀を抜くチョンヨンに鏡で気付く。兵が部屋の前にやってくる。

チヒャン:カン大監がさせたの?

チヒャンを刺すチョンヨン。

チヒャン:何故?

チョンヨン:ごめんなさい、ごめんなさい、姉さん。

倒れるチヒャン。走り出るチョンヨン。チヒャンが倒れたのを見て刀を納める兵。

兵:急いでください。すぐ撤収します。

チヒャンの部屋を振りかえり、チスンの言葉を思い出すチョンヨン。

チスン:お前がチヒャンを殺さなければ、ペッキョルが助かることはないだろう。

兵曹の庭先(昼)

パク・ユンを護る兵士も一人だけになる。ペッキョルと対峙していると、白禄が駆け付ける。

白禄:退くんだ!

ペッキョル:兄さん、俺はパク・ユンを殺さなければならない。

白禄:退かなければ斬る。

ペッキョル:兄さんは俺を殺すことができない。

白禄:果してそうかな?

闘う兄弟。

白禄:刀を捨てろ。捨てれば助けられる。

ペッキョル:俺の勝ちだ、兄さん。

パク・ユンを護る最後の兵に合図を送るペッキョル。パク・ユンに斬りかかる兵。突然の背信に術もなく斬られるパク・ユン。

白禄:だめだ!

ペッキョルを飛び越えて、兵を切り捨てパク・ユンを抱き起こす白禄。

パク・ユン:殿下を…

こと切れるパク・ユン。それを見届けて走り去るペッキョル。

白禄:イ・ベッキョル!

ト・シピョン、パクポ、乞食たちが駆け付ける。パク・ユンを護れずに茫然としている。

妓房 チヒャンの部屋

倒れ伏していたチヒャンが起き上がる。
(回想)
短刀を抜いてチヒャンの後ろに立つチョンヨン。

チヒャン:カン大監がさせたの?

チスンの私兵がやってくる、兵からは刺したように見えるように短刀を振りおろすチョンヨン。目でチヒャンに合図を送る。回想終わり。

チヒャン:チョンヨン…

チスンの陣(夜)

地図を見ているチスン。そこへヒョジュが入ってくる。

ヒョジュ:お父さん。地方から来る軍士たちがあまりにも遅い。

チスン:待ちなさい。

ヒョジュ:心配です...こんなにしていて、もし...

チスン:あまり軽はずみにふるまうなら出ていきなさい。

ヒョジュ:家門が死んで生きる事です。お父さんが間違ったということを、どうして認めないのですか?

チスン:何だと?

漢陽近郊の山あい(夜)

門を出ようとするチスンの友軍。

大将:止まれ。

山で松明が燃え大声で騒いでいるのを見て、王の軍が優勢と見る。

大将:見つかったのか?

実は乞食たちのフェイクだ。山の上で大騒ぎする乞食たち。

大将:ここで犬死にすることはできない。撤収する。

副官:はい?

大将:退いて、別に便りがあるまで待機する。

引き上げる友軍。

チスンの陣(夜)

ヒョジュ:妹婿からもなんの消息もなく...お父さん、失敗したんです。

チスン:出なさい。罰は後で与える。

ヒョジュ:私がどうして罰を受けるんです?家門を逆賊にして危険にしたのはお父さんではないですか?

チスン:出ろという言葉が聞こえないか!

怒りに震えながら立ち去ろうとするヒョジュ。耐えきれずに刀を抜く。その気配に気がつくチスン。

チスン:刺す勇気もあったのか?

ヒョジュためらう。

チスン:足りないやつ。お前は士大夫の恥だ。

怒りと怖れに震えるヒョジュ。

チスン:突きなさい。

ヒョジュ、チスンを刺す。

ヒョジュ:お父さんがおっしゃったんです。家門をつねに最優先に置いて考えなさいと。

チスン:それで、刺して殺そうと言うのか。

ヒョジュ:許してください。家門を生かそうとすれば、お父さんがお逝きにならねばなりません。

刀を抜いて去るヒョジュ。崩れ落ちるチスン。

チスンの陣門

出てくるヒョジュ。頬の血を拭う。

ヒョジュ:宮へ行く。殿下にお会いしなければ。

兵をひきつれて出て行くヒョジュ。

夜道

走るペッキョル。

陣内

チョンヨンが兵とともに陣内に入るとチスンが倒れている。

兵:医者を呼んできます。

チスンを助け起こそうとするチョンヨン。

チスン:誰か?

チョンヨン:ヨンです。

チョンヨンの手を握り何か言おうとするが、果たせぬままこと切れるチスン。

チョンヨン:大監、大監!

陣に辿り着くペッキョル。陣内に入るとチスンが倒れていてチョンヨンが抱き起こしている。事態を無言で察するペッキョル。

王宮(昼)

王の前に並んで立つ臣下たち。その間を進み出るヒョジュと白禄。

王:李白禄は近くに来なさい。

白禄:はい。

階段を上り礼をする白禄。

王:杯を持ちなさい。

白禄の盃に酒を注ぐ王。飲む白禄。

王:(杯を持って)私にも一杯ついでくれ。

驚く臣下達。

王:はやく

白禄、王の杯に注ぐ。杯を手に立ちあがって白禄に近づく王。

王:兄さん、私が必ず満朝百官が見る中で杯を満たしてやると言っただろ?

杯を干す王。

王:願いを言いなさい。なんでも聞いてやろう。

白禄:一つだけ申し上げます。今度の反正を阻んだ本当の功臣は別にいます。しかるに彼は今、監獄で死ぬ日を待っています。殿下、ト・シピョンを助けてください。

王:その者は、逆心がある者だ。

白禄:殿下のために命をかける人々を、こんなやり方で捨ててはいけません。

ヒョジュ:お前…こいつ!不届き者!

王:よい! もう終わった問題だから、これ以上取り上げるな。

白禄:殿下、今度兵曹判書になったカン・ヒョジュこそ危ない者です。時流によって裏切りをする、あのような者は遠ざけなければなりません。

ヒョジュ:あの、あの奴が!

王:やめなさい!

白禄:殿下!こんなやり方では、いつか外敵の侵入を受ける時、命をかけて王室を守る剣一つもないはずです。

王:やめるんだ!(白禄にだけ聞こえるように)これが政治だ、兄さん。

ト・シピョンの言葉を思い出す白禄。

(回想)
ト・シピョン:最近殿下を見ると...私の考えは間違った指導なのかもしれない。もし王権強化に命をかけた私が失敗して、臣権政治に命をかけたカン・チスン大監も失敗すれば、その時は何が国を導こうか?
(回想終わり)

宮 監獄(昼)

ト・シピョンの前に食事とともに毒が置かれている。毒の椀を飲み干すト・シピョン。血を吐いて倒れる。

宮,廊下(昼)

宮を出て行こうとする白禄。ヒョジュが呼びとめる。

ヒョジュ:弟の消息は聞いたか?反乱軍の残党を集めているんらしいな。一人でお父さんの遺訓でも守るつもりなのか?そう、チョンヨンだと言ったかな?その女も一緒にいるそうだ。いや、一緒に死ぬと言わなければならないか?

白禄:王が果してお前をいつまで信じようか?明日?明後日?

宮を出て行く白禄。

草原(昼)

馬を駆る白雲剣ら

海辺の雑木林(昼)

身を休めるペッキョル、チョンヨン、白雲剣ら。偵察隊が帰ってくる。

白雲1:大将様。

ペッキョル:いよいよ来たのか?

白雲1:はい。

ペッキョル:兵力は?

白雲1:オジンが直接動いたようです。千人以上です。

ペッキョル:よし。

部下たちを見回すと、みな傷つき疲れ果てている。

ペッキョル:おまえ達はもう自由だ。ここで抜けて命を救うように。

兵の叫ぶ声がする。

兵:使者が来た。使者だ。

剣を手に浜辺へ向かうペッキョル。ついて行くチョンヨン。

海岸(昼)

馬でやってくる白禄とパクポ。

白禄:キョル…

ペッキョル:冥土の使者が来ることは知っていたが、それが兄さんだとは分からなかったな。

海岸へ向かって移動してくる大軍。

ペッキョル:兄さん、遠くから来てくれたことはありがたいが、俺は降参はしない。チョンヨンも同じだと。

白禄:分かってる。俺がここへ来たのは、ただ...お前と一緒にいようと。

ペッキョル:それはどういう事だ?

白禄:俺が今までこの刀で守ったものは、すべて虚しいことだった。最後は本当に守りたい者のために使いたい。この気持ち...分かるか?カプサンのイ兄弟が女一人も助ける事ができないなら、それは本当に恥ずかしい事だろう。そうだろう?

笑顔で答えるペッキョル。チョンヨンのそばに行く兄。

白禄:チョンヨン…

チョンヨン:お兄さん。

白禄:忠清道西南地方に誤書山と言う所がある。気立てのいい坊さんが、孤児たちを拾って育てるんだが、飯をたいてくれる人がいない。兄さんは、お前がそこへ行ったら良いが...

チョンヨン:一緒にいる...

白禄:お前は生きなくてはならない...お前が生きれば...一生夜叉のように...殺してばかりいた私も、この生に何か人として生きたことになる。頼む、どんなに大変でも、しつこく生き残って、きれいな顔にしわもできて、歯も抜ける百歳まで生きてくれ。私の分までキョルの分まで生きてくれ。

チョンヨン:私…送らないで。

チョンヨンを抱きしめる白禄。

白禄:いつまでもいつまでも、幸せに暮さなきゃいけないぞ。

パクポが馬を引いて近づいてくる。

白禄:(パクポに) お願いします。

パクポ:ああ。

チョンヨン:お兄さん、私は行かない。行けない。いやよ。行かないってば。

ペッキョル、チョンヨンを抱きあげて馬に乗せる。

チョンヨン:いやよ、いや。私行かないってば。お兄さん、私行かない。戻して。

白禄:(パクポに)すまない、結局お金一銭儲ける事ができないようにして。

パクポ:何の話だ。漢陽で王宮を見物させてくれたろ。うまくやれや。

白禄:おじさんも。

馬を引いて出発するパクポ。振り向かずに無言で見送る兄弟。二人を振り返りながら去って行くチョンヨン。

丘上(昼)

海岸を見下ろす丘に王とヒョジュ、そして軍が到着する。軍に対峙するために砂浜を歩いて行く兄弟。
砂浜と丘で向かい合う王の軍と兄弟。

ヒョジュ:殿下、命をお下しください。

観念したように眼を閉じる王。

ヒョジュ:進撃しろ!

剣を抜く兵士たち。浜辺へ向かって駆け降りて行く。

ペッキョル:兄さん。

白禄:キョル。

ペッキョル:次の世でも、兄さんが兄をやって。

笑いあう兄弟。

白禄:こいつめ…、今…俺たちカプサンに帰ろう。…故郷に…帰ろう。

ペッキョル:うん。

押し寄せてくる大軍、立ち向かう兄弟。

それを丘の上から見ている王。昔を思い出す。

(回想)
シジェ:兄さん... 兄さんは、なぜ私に良くしてくれる?

白禄:俺が何をよくする?

シジェ:兄さん、気にならない? 私がなぜ漢陽(ハニャン)から一人でここにきたのか?両親が誰なのか? 私が誰なのか?

白禄:それの何が重要だ? おまえは俺にはキョルと同じ弟だ。

シジェ:兄さん、それではいつどこででも、私を守ることができる?

白禄:そうだ。 それしきのこと、兄が守るから。 いつどこででも。
(回想終了)

闘う兄弟…ここから先はセリフもなく死闘が繰り広げられます。
文章で説明できる事はもうありません。最後までお付き合いくださりありがとうございました。最後のシーンで兄ペンノクがキョルの肩に手を置きキョルが無言で答える。兄弟の絆を感じました。
本当に素晴らしかったです。

夜叉~完

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コメント

ありがとうございました^^

春頭さま、Camoさま、夜叉の視聴が大変楽しかったのは、お二人が丁寧な解説付きの訳文を頑張って下さったお陰ですv-411
ありがとうございましたv-436
v-20の久々の時代劇・・初めの頃はお髭v-405v-399と拒絶反応を示す方もいらっしゃってv-408
どうしようかと想いましたが、白雲剣の制服をピシッと決められてv-353
冷ややかか視線のキョル君v-347を見た瞬間から、v-345v-345ドキドキが止まらなかった反面、現代劇とは、違う台詞廻しに聞き取れずv-388今、何て言ったの?v-388
こうだよね?あ~だよね?の疑問が一杯の勝手な想像を繰り広げずに済んでv-398ホッとシオナダ~を味わいつつ視聴できて嬉しかったですv-411
私達が楽だった分、お二人には大変だったはずですのに、韓国語の勉強が進んだと仰って下さって、有難いことでしたv-436
大変、お疲れ様でした・・次回作もヨロシクお願いいたしますv-421v-411
v-20の次回作が早く決まりますように~v-421v-344

最終回

最後のシーンの兄弟の会話・・・何度読んでもグッときますね~v-409
ゆく道が分かれ、時には反目し合ったりもしましたが、それでもやはり兄弟v-208v-343v-205
最後に交わしたこの二言三言の会話に、微塵のわだかまりも感じられませんでした。
できることなら、本当にこの兄弟をカプサンに帰らせてあげたかったですv-409
(まあ、帰ったら帰ったで、のどかな暮らしに弟くんがいつまで満足しているか解りませんけどねっv-408

私も、春頭さんとCamoさんの訳のお陰で、ますますドラマにのめり込むことができ
夜叉廃人まっしぐらv-29でしたv-411
本当にありがとうございました!v-436
えっ!?次回作もお願いできるんですか!?v-405v-397

昨日の敵は今日の友 か

カプサンに帰って何があるのか・・・・

二人が闘いに勝って、生き残ることにしかロマンはない・・・

チョンヨンも勇気がある、昔の農村型の再生力というか、強い・・・、アッパレ!!!

Camoさま 春頭さまおかげで楽しみました、ありがとうございました。

ありがとうございました^^2

春頭さま、Camoさま、お疲れさま!!
映像を思い浮かべながら楽しく読ませていただきました。
こんな事が出来るなんて、スバラシイ!!
そして、ちょっと、裏山…

最終回

12話の後半は私の「男の世界」好きの琴線にビンビン触れまくりで本当に痺れました。
字幕と翻訳の差で一番気になったところは、兄ちゃんがチョンヨンを連れてった後のカン・チスンとの会話です。チョンヨンを取り戻すと言った後のペッキョルのセリフは字幕では「義父上の信頼を取り戻すために」になっていますが、直訳は「功臣になって生まれる子の堂々とした父になります。」です。ここのセリフを変えてしまうと、続くチスンの「欲心が多いな...その二つは共にできない事だ。(字幕だと、よく深い奴だ。二兎を追うのは虫がよすぎる)」のニュアンスが少し違うような気がします。立派な父になる宣言は、さすがに私も「そりゃ虫がよすぎると」驚きました^^

チングBさま、おまっちゃさま、今回の夜叉はCamoさまの大きな助けがあってどうにか出来た事なので、同じ事をもう一回できるかと言うと…気安くOKと答えられる語学力を見に付けるには、あと10年くらいかかるかな…?みたいな?
でも、夜叉はともかく面白かったので、多少の無理も苦になりませんでした。そんな作品に王子がもっとたくさん出ると嬉しいんですが^^
依依さま、細かい考証をいろいろ調べてくださってありがとうございました。面倒くさくて理解せずに済ませてしまうようなことも、知恵の持ちよりでどうにか出来るところが、こういう場所の素晴らしさですよね。

調べたと言えば

探せなかったのですが、ソヨンの漢詩、韻が正しいかどうかはわかりませんが、きいたような・・
月が部屋の中に入ってきて、昼間のように明るくなったとか・・・の(元の)漢詩・・・

pukupukuさま

こちらこそいつも、pukupkuさまの割り箸デート楽しく拝見しています。
写真が面白いだけでなく、どこにでも姫と王子を連れて行くpukupukuさまの愛と勇気に、見ていて元気になれます。

あにゃ~

そんな皆様気を使って頂いて~v-435v-356 

本当にお2人には感謝しています

ハングルが全くわからない私にとって
お2人が交互に翻訳してくださったセリフを読むことで
「ヤチャ」オリジナルの雰囲気を感じることができました!

また、メールで「読みたいな~」って軽い気持ちでつぶやいたら(?)
Camoさま、春頭さまは本当に快く、その日のうちに送ってくださいました
掲載も快諾してくださり、どれほどうれしかったことか・・・v-408
本当に本当に感謝しています。
ありがとうございましたv-435

ドヨン王子の「春のワルツ」に次ぐ、代表作となった「ヤチャ」が
もっともっと広く皆さまに愛していただけるよう
ただただそう願っています。

永久保存します^^

Camoさん、春頭さん、本当にありがとうございましたv-436
意訳でもストーリーは理解できますが、深い所のニュアンスが伝わるのは完全翻訳のおかげです!
私も、夜叉を何倍にも楽しめましたv-352
単語の意味を調べて、日本語の意味合いに翻訳するのは、本当に難しいと思いますが、とても解りやすく、脚本の素晴らしさを堪能することができましたv-410
それに、何より、この翻訳には、Camoさんと春頭さんのv-20と「夜叉」への愛情e-415がいっぱい詰まってて、感動です!
Wordにコピーして、DVDと一緒に大切に保管させていただきますv-398

有難う御座いました♡

Camo様 春頭様 有難う御座いましたi-179
この様な細かい大変な作業を届けてくれてチョンマ私には未知の世界で・・・・i-183
どうしてこう言う事が出来るのか???凄すぎv-401です~~~
Dちゃんを通じて素敵な皆様と楽しい時を過ごせる事は最高ですv-433

「春のワルツ」に次ぐ代表作!

そうですね店長。そう呼んでもいいですよね、「夜叉」スカパーではなく地上波でも放送されるといいですね。そして、DVDも発売されて、テレビでガンガンプロモーションして欲しいです。出来れば発売記念来日イベントもv-400髭キスv-23エピソードをトヨン氏の口から生で聞いてみたいですv-401

永久保存@@

はぴさま~~きっと間違って訳してるところもあると思うんですよ~~~v-388間違いも永久保存ですねv-394v-396
でも、字幕や吹き替えでは省略されちゃう言葉ってけっこうあるので、直訳も面白いでしょう^^

メグシーさま

出来ることの持ち寄りでトヨン氏ファン活動がより楽しくなる、この連鎖が面白いですよね。

ペッキョルの二兎

春頭さまが訳してくださった原文は

反正を成功させて、チョンヨンを取り戻します。
功臣になって生まれる子の堂々とした父になります。


つまり、ここでの二兎v-530v-530

反正を成功&チョンヨンを取り戻すv-530
堂々とした父になるv-530

ってことでしょうか?

字幕では

反乱を成功させ 必ずやチョンヨンを取り返してみせます
義父上の信頼を取り戻すために


つまり、

反乱を成功v-530
チョンヨンを取り戻すv-530

ってことなんでしょうか?

前のシーンで、寝ているソヨンのお腹に手を置くペッキョルですから
父になる実感を味わっているのかな?と思うと
やっぱり原文の方がうなずけるのですけど・・・v-389

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2006年、NHKBS2で放送された「春のワルツ」を見て、ソ・ドヨンさんの魅力に撃沈しました!

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SPRING WALTZ ピアニスト クリス・ユンの誕生と復活の物語
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